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2026/10/30 12:50
鶸色とブルーの輝き、紫色と虹色が描く2つの世界
恭平
こんにちは。墨流し作家の恭平です。
YOSHIKO
墨流しアドバイザーのYOSHIKOです。
恭平
はい、というわけで、Kyohei Friday 8の新作紹介です。
少し久しぶりになりましたね。
YOSHIKO
そうですね。こうしてお話ししながら作品をご紹介するのは、だいぶ久しぶりになりましたね。
恭平
ということで、早速参りましょう。
今回は2作品になります。
YOSHIKO
いいですね。
恭平
では、まず1作品目を見てみましょう。
こちらになります。
1点目|まるで光をまとったような、鶸色とブルーの墨流し


YOSHIKO
華やかですね。
恭平
華やかですよね。
ベースは鶸色(ひわいろ)になっているんですが、染め上がってみると、そこだけがまるで明るくなったかのような、光を放っているようにも見えるんです。
すごく華やかさがあるんですよ。
YOSHIKO
本当にそうですね。
これを着物に仕立てて、その場にいるだけで輝いて見えるんじゃないかと思うくらい。
私も実際に巻きつけて撮影した時に、すごくおめでたい雰囲気を感じたんです。
お正月にも着たいなと思いましたね。
でも、華やかさがありながら、色味はすごく上品でもありますよね。
恭平
そうですね。
この黄色側は、実はシンプルな配色になっているんです。
ごく淡いクリーム色のような色を組み合わせて、コントラストを作っているんですが、ぱっと見た印象は比較的シンプルに見えると思います。
黄色って、実はすごく難しい色なんですよ。
黄色で墨流しを表現しようとすると、明るい色なので、どうしても無地のように見えやすいところがあるんです。
なので今回は、色と色のバランスを調整して、墨流しの柄がしっかり際立つように工夫しました。

YOSHIKO
アップの画像を見ると分かると思うんですけど、マーブル柄の部分もしっかり模様が出ているんですよね。
今、恭平さんが言ったように、この黄色の部分は、日本の伝統色でいう鶸色に近いと思うんです。
そこに、ブルーとの間をつなぐようなクリーム色が入ることで、マーブル柄が見えるようになっているということですよね。
恭平
そうですね。
その組み合わせによって、柄が引き立っているんだと思います。
YOSHIKO
でも、そこが真っ白ではないというのもポイントですよね。
例えば鶸色と真っ白の組み合わせだったら、もっと大胆で、浴衣らしい雰囲気になっていたかもしれないんです。
でも、そこにクリーム色が入ることで、鶸色自体は明るいのに、まろやかさが生まれて、上品な雰囲気になったのかなと。
そんなふうに分析したりするんですけど。
恭平
そうですね。
本当に、まるで発光しているような色って不思議だなと思うんです。
特別なインクを使っているわけではなくて、いつもと同じインクを配合して作った色なんですよ。
それでも、色と色の組み合わせによって、これだけ輝きを感じる色が生まれるんだなと、改めて感じています。
何色ものブルーが生み出す、水の流れのような美しさ
YOSHIKO
本当ですね。
それから、もう片方のポイントになっている色も素敵ですよね。
恭平
ブルー側ですか?
YOSHIKO
そうです。
ここにも、いろいろなブルーが入っていますよね。
恭平
そうですね。
こちら側には、さまざまな系統のブルーを組み合わせています。
YOSHIKO
それも今回の作品のポイントになっていますか?
恭平
なっていますね。
では、反対側のブルーを衿元に持ってきた仕立て方のパターンも見てみましょう。
こちらですね。

YOSHIKO
すごい。
水の流れを感じますね。
本当に、水流そのものをまとっているかのような。
すごく縁起の良さも感じます。
恭平
黄色の部分がかなり華やかなので、逆にこうして脇の方に持ってきても、いい抜け感が生まれるんですよね。
これはこれで、仕立て方のひとつのパターンとして、すごくいいと思います。
YOSHIKO
そうですね。
袖口にブルーを持ってきたり、いろいろな仕立て方が考えられますよね。
それから、このブルーの部分の柄は、今回初めて皆さんにお見せするデザインになるんですよね。
恭平
そうですね。
マーブルをベースにしている柄なんですが、そこにピーコック模様を加えた作品になります。
このピーコックの部分は、YOSHIKOさんにお願いしているところなんです。
実は、このピーコックの流れ方がすごく重要で。
その表現によって、女性らしさだったり、繊細な華やかさだったり、そういったものが生まれてくるんですよね。
その加減は、やっぱりYOSHIKOさんならではの表現だなと思っています。
櫛の動きが生み出す、繊細で清らかなピーコック柄

YOSHIKO
この柄を作る時に使う道具は、髪の毛の櫛のようなものなんです。
それを手で持って、水面を動かしていくんですね。
着物一反分、水槽いっぱいの約14mにわたって柄を作っていくんですけど、水面の状態によって、櫛を通すスピードや角度で揺らぎ方が大きく変わるんです。
なので、ただ動かせばいいというわけではないんですよね。
恭平
そうなんです。
水面の硬さや動きを読みながら、櫛を動かしていく必要があるので、案外難しい作業になりますよね。
YOSHIKO
そうでしたね。
でも仕上がった時に、ちょっと龍のようにも見えたんです。
恭平
水流のようなね。
YOSHIKO
そう、水流のような。
それが着物としてまとった時には、水が柔らかく溶け合っているような、すごく上品な雰囲気になるんです。
風を感じるようでもありますし。
これまでのマーブル柄の、波がバシャンと立つような大胆な水の表現とはまた少し違うんですよね。
それこそ、滝を見に行った時や、綺麗な水の流れを眺めている時のような。
そんな、浄化されるような清らかさを感じる柄だなと思いました。

恭平
今回の配色自体も、うちではあまり染めないタイプかもしれないですね。
クリアで、すきっと爽やかで、それでいて華やかさもある。
そういう色合いに仕上がったと思います。
YOSHIKO
本当に、ほとんど濁りのない色ですよね。
恭平
そうですね。
とても澄んだ印象の色になっています。
2点目|紫と虹色が溶け合う、リボンのようなロマンチックな墨流し
恭平
では、次にいってみましょう。
2点目はこちらになります。


YOSHIKO
かわいいですね。
恭平
こちらも、色の方向性としてはクリアな色をベースにしています。
紫色の部分も、すごく軽やかなんですよね。
いつもだったら、ここにもう少し渋みを加えるというか、大人っぽい紫を目指して落ち着きを出すことが多いんです。
でも今回の紫は、クリアで華やかな紫になっています。
YOSHIKO
そうですね。
お客様にイメージしていただくとしたら、色鉛筆の紫に近いのかな。
あの、はっきりした綺麗な紫色ですね。
でも実際にまとってみると、可愛らしさもありつつ、少し色気もあるんです。
だから何とも言えない色だなと思いました。
それから今回の柄は、揺らぎ柄の中に、一部分だけピーコックが入っているんですよね。
揺らいだようなピーコック柄が入っているんですけど、この色合いも本当に可愛らしくて。
これが45歳の男性作家から生まれるとは思えないような、可愛らしい配色だなと思いました。
恭平
僕も自分でそう思います(笑)
それこそ、こっちの多色の部分も、色鉛筆のような色合いになっているなと、僕も見ていて思います。
YOSHIKO
確かに。
でも、それを紫と組み合わせることで、大人が着てもちょうどいいバランスになっていますよね。
本当に虹のようにも見えます。
揺らぎ柄にリボンのような動きを重ねて


YOSHIKO
このピーコックも、私が担当させてもらったんです。
恭平さんが最初にベースとして作ってくれた、細かな線がたくさん重なった揺らぎ柄が、すごく綺麗だったんですよね。
そこに櫛を通していくと、ピーコック柄ができあがっていくんです。
今回は、それをリボンに見立ててみようと思ったんです。
リボンがふわふわと翻っているような感じにしたら、より乙女チックというか、ロマンチックな作品になるのかなと思って。
それを意識して、すごくゆっくり櫛を動かした記憶があります。
恭平
あと今回のポイントは、この世界観にさらに高級感を加えるために、最後にしぶきのような細かなドットを重ねているところですね。
まるで、蒔糊(まきのり)のような表情が生まれています。

YOSHIKO
そうですね。
着物の蒔糊といっても、分からない方もいらっしゃるかもしれませんけど、細かな粒が散っているような表情ですね。
これが入ることで、高級感が増すのはもちろんなんですけど、少し粉砂糖のような、素材感が加わるんです。
色そのものに質感が生まれるという感じでしょうか。
粉雪が降った後のような雰囲気にもなりますね。
恭平
そうですね。
だから、ただ可愛いだけじゃなくて、しっかり大人らしさや高級感、品の良さがある。
そういう作品を目指しています。
YOSHIKO
欲しいものが全部ここに詰まっている感じですよね。
恭平
本当に、そういう作品になったなと思います。
YOSHIKO
こうして巻きつけてみると、ピーコックの部分だけじゃなくて、そこに巻き込まれていく虹色の部分も、飴のように伸びやかで可愛いですよね。

恭平
飴細工を伸ばしたようなね。
YOSHIKO
そうそう。
びよーんと伸びたような感じと言ったらあれですけど、その表情が今回の色味とすごく合っているなと思いました。
恭平
ちなみにもうひとつ、さっき少し言い忘れたんですが。
最後に全体へ散らしている、粉砂糖のような細かいドットですね。
実はこれ、淡いピンクで表現しているんです。
そこも可愛さのポイントのひとつなんですよ。
YOSHIKO
ああ、そうなんですね。
気づかなかった。
恭平
真っ白ではなくて、ほんのりピンクなんです。
その色がベースの紫ともすごくマッチしていて、いい色合いになったなと思います。
YOSHIKO
紫とピンクって、もう永遠の可愛さですよね。
お正月から大正ロマンまで。着こなしの可能性が広がる一着

恭平
この着物を着るシーンを想像した時に、新年のお出かけや春先なんかもそうですし、やっぱりおめでたい時にこれを着ていたら、すごく様になりますよね。
YOSHIKO
確かに。
でも、おめでたいシーンだけじゃなくても、アンティークの刺繍の帯なんかを合わせていただくと、すごく可愛いスタイルになると思います。
逆に、半衿を黒にして、帯も黒にしたら、ちょっと小悪魔テイストな雰囲気にもなりそうですし。
本当に、いろいろな着方ができますよね。
恭平
確かに、YOSHIKOさんの言う通りですね。
アンティークのような、大正ロマンのような雰囲気もまとっていますよね。
これ、帽子なんかを合わせても可愛いと思います。
YOSHIKO
可愛いですよね。
恭平
いろいろな着方ができる、すごくポテンシャルを秘めた作品ですね。
YOSHIKO
本当にそう思います。
私は今回、この配色にこの柄を合わせたのがすごく良かったなと思っています。
恭平
どんな方が着てくださるのか楽しみですね。
YOSHIKO
楽しみです。
実際に撮影する時、Instagramのストーリーにも少し撮影風景をアップしたんですけど、たくさんの方からコメントをいただいたんです。
今回も本当に一点ものになるので、また同じものを作ろうと思っても、なかなか難しいですよね。
恭平
そうですね。
もちろん、頑張れば似たような雰囲気にすることはできると思います。
でも今回の作品は、配色や柄の構成にすごく計算が必要なので、簡単に同じようには作れないかもしれないですね。
YOSHIKO
それに、櫛の動きによる柄の出方も毎回変わってしまいますよね。
恭平
そうなんです。
その都度、表情が変わりますからね。
YOSHIKO
そこもぜひ、注目して見ていただきたいポイントです。
本日20時、Kyohei Friday 8にて公開

恭平
ということで、今回はこの2作品をご紹介いたしました。
本日金曜日、夜20時からオンラインストアに登場いたします。
どちらも、これまでとはまた少し違う表現の作品になったと思いますので、ぜひ楽しみにお待ちください。
YOSHIKO
楽しみにしていてください。
恭平
それでは、本日の作品紹介は以上になります。
ありがとうございました。
YOSHIKO
ありがとうございました。