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2026/06/24 09:21

「願いごとを思い出す夜」に寄り添う、繊細な矢羽根柄

恭平
ということで、本日も対談ブログ形式で作品紹介をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

YOSHIKO
お願いします。本日の作品はこちらですね。

今回ご紹介するのは、
《Cinderella Veil》
シンデレラヴェール
矢羽柄 × ドット|セオアルファ

うわぁ。
また先週とは全然雰囲気が変わりますね。

恭平
こちらは、今週のKyohei Friday 8にて作品として発表予定の作品になります。

YOSHIKO
なんて繊細な。

恭平
こちらは、先週までに引き続き、同じ配色で染めている作品です。

今回は、8月のテーマに沿った提案になっております。


8月のテーマ「願いごとを思い出す夜」

YOSHIKO
8月の提案は、「願いごとを思い出す夜」というストーリーでしたよね。

皆様には、また投稿などでもご確認いただければと思うんですけど、Kyohei Friday 8では、毎月こちらでテーマを提案して、その物語に沿った作品を発表しています。

今月は、すべて同じ配色というか、同じ雰囲気のカラーでご提案しているシリーズだと思うんですけど、恭平さんはこの配色にどんな思いがあるんですか?

恭平
今回は、これで4つ目の作品になるんですが、すべて配色は一緒なんです。

柄だけが違います。

YOSHIKO
じゃあ、使っている濃度や、一色一色の色数みたいなものは基本的に同じなんですか?

恭平
ベースになる色は一緒です。

少しだけアレンジを加えたりはしますが、基本的には同じ色を使って、柄の表現だけを変えています。

YOSHIKO
そうなんですね。

全部それぞれ見ていくと、1回目、2回目と、どんどん色の濃さも違って見えるんですけど、実は同じインクなんですね。

恭平
そうですね。

同じインクを同じ濃度で調整しているので、基本的には同じ色をベースにしています。

でも墨流しの面白いところは、どの柄で表現するかによって、色のまろやかさや見え方が変わるところなんです。


同じ配色でも、矢羽根柄になると表情が変わる

恭平
今回の作品は矢羽根柄なんですけど、ピーコック柄とはまた違って、矢羽根独特のシャープな感じと、柔らかい表現があります。

同じ配色でも、柄によって違った表情を見せてくれる。
そこが墨流し独特の面白さですね。

今回は特に、配色は同じと言いながらも、コントラストをなるべく抑えた作品になっています。

これまでの柄とは違う繊細さと、とろけるようなまろやかさがありますね。

YOSHIKO
まろやかさ、ありますよね。

矢羽根柄なんだけど、これまでの矢羽根とはまた違って、すごくしっとりした雰囲気を感じます。

これは染め方に特徴があるんですか?

恭平
今回は、色の落とし方を変えてみました。

いつもは矢羽根柄に限らず、ピーコック柄でもそうなんですが、柄そのものを引き立たせるように、バランスを見ながらコントラストを作ります。

でも今回は、先ほども言ったようにコントラストをごくごく抑えています。

その分、柄を引き立てるというより、色を引き立てるような表現にしました。

ただ、色だけで表現しようとすると、今までは柄が引き立ちにくいという課題があったんです。

でも経験を重ねていく中で、色を主役にしながらも、しっかり柄の存在感を活かす表現ができるようになってきました。


この作品をきっかけに見えた、新しい染め方

YOSHIKO
今回の作品をきっかけに、恭平さんが「また覚醒した」って言っていたのが、すごく印象的だったんです。

この作品の前と後で、染め方についてまた一つ、すごくいい感覚が分かったって話していましたよね。

私たちからすると、この作品がすごく美しいのは分かるんだけど、何がこれまでと違うのかを言語化するのは、なかなか難しいと思うんです。

恭平
そこまで来ると、僕自身も、この作品の良さやこれまでとの違いを言葉にするのはなかなか難しいです。

でも、頑張って言葉にするとしたら、色と柄をじっくり見た時に、風景を思わせるような美しさがあるんです。

風景を見た時に、「美しいな」と感じる。
でもその美しさを言葉で表現しろと言われると、なかなか難しい。

ただただ無条件に美しい、という感覚があるじゃないですか。

それに少し近いところがあります。

今回の色は、大きく分けると、ターコイズブルー、グレー、ライトなブラウンの3つの配色です。

でも細かく見ると、それだけの色ではないんですよね。

YOSHIKO
本当に、少し草のようなカラーが入っていたり、紫みがあったりしますよね。

見ていてすごく面白いです。

恭平
隠し味のような配色が隠れているのが、今回の作品の特徴です。

これは、同じ作品を作ってくださいと言われても、まったく同じものは作れない作品になっています。

自然の風景を見た時も、例えば夕焼けの色って、オレンジだけじゃないじゃないですか。

そこには青みがかった紫があったり、言葉では表せないグラデーションがあったりする。

YOSHIKO
なるほど。
色の境目がない、滑らかなグラデーションですね。

恭平
そうです。

「何色ですか?」と聞かれても、色の名前だけでは表現できないような、何とも言えない色がありますよね。

それと似た感覚で、この作品を見ていただけるのかなと思っています。


光をまとったような、淡いベール

YOSHIKO
確かに。

今回の作品は、反物だけで見ても、一色一色が溶け合っているのがすごくよく分かります。

着た時には、ターコイズブルーが少し明るめの印象的な色として出てくるんですけど、そこに落ち着いた淡いブラウンが重なっていて。

そのグラデーションがすごく滑らかなんです。

まるで、生地そのものが光をまとって、玉虫色に輝いているかのような、光の現象のようにも見えると思いました。

今回の矢羽根柄は、ストールをまとっているような、淡いベールを体にまとっているような。

そんな神秘的で静かな雰囲気をすごく感じました。

恭平
生地はいつものセオアルファなんですが、まるで透け感のある質感のようにも見えるんですよね。

YOSHIKO
そうそう。確かに。

恭平
染め方によって、質感までも変えられるんだということを、僕自身もまた感じました。

YOSHIKO
墨流しの深い魅力を、また知った気がしました。


写真で伝えるのが難しい、ブラウンの奥行き

恭平
このブラウンの部分なんですが、実はブラウンを写真で表現するのはすごく難しいんです。

YOSHIKO
お客様からも、たくさんお問い合わせがありましたね。

恭平
ブラウンは、撮影の時にライトを当てると、光が当たった瞬間にオレンジ味が出てしまうんです。

すごく明るく見えてしまう。

逆に、自然光に近い環境や、あまり強い光を当てていない状態だと、もっと落ち着いて見えます。

うちの商品撮影では光を当てて撮影するので、その分、ブラウン部分だけが明るく見えやすいんですね。

そこをかなり調整して撮影しています。

その中でも今回は、だいぶ実物に近い色で写真にできたかなと思います。

今回の配色自体は、夏を意識したターコイズブルーがポイントとしてあります。

でも、夏だから青だけ、というわけではなくて。

そこに大人っぽいブラウンがあったり、少し温かみのあるグレーがあったりする。

その組み合わせが、僕の中ではすごくおしゃれな感覚としてあります。

YOSHIKO
すごくおしゃれです。

恭平
単純な配色ではなく、少し複雑性のある色の配色を、今回墨流しで表現したかったんです。

それで今月の配色は、すべてこの組み合わせにしています。

YOSHIKO
そこにつながってくるんですね。

夏に着たいターコイズブルーど真ん中のはずなんですけど、こうやって見ると、春にも秋にも、セオアルファでなければ冬にも着たくなってしまうような、本当に万能な作品になった気がします。

恭平
これを着ているだけで、一目置かれるような作品になったと思います。

YOSHIKO
本当にそうですね。

日本画を見ているような、「芸術をまとう」にふさわしい作品になったんじゃないかなと思います。


静けさの中に弾ける、白いドット

YOSHIKO
今回の白いドットも、とても印象的ですよね。

白ドットと言っても分かりにくいかもしれませんが、この作品に散らされている白い水玉模様です。

このさりげない入り方も、今回限りの表情だと思うんですけど、これは意識的に少なめにしたんですか?

恭平
柄の上に飛ばしている水玉模様は、作り方としては、筆にインクをはじく液体を含ませて、それを飛ばすようにして最後に柄を作っています。

飛ばす分量によって、表現は変わります。

大胆に見せたい時には多めに飛ばしますし、飛ばし方にも勢いをつけたりします。

今回は、静けさの中に少し弾ける華やかさも欲しい、という感覚が自分の中にありました。

あまり弾けすぎず、でも光のような表現がある。

この時期なら、蛍に見える方もいらっしゃるかもしれません。

見る角度によって、いろいろな見え方ができる作品になったらいいなと思っています。


気づいたら、少し元気になっているような作品

YOSHIKO
今回のテーマに本当に合っていますよね。

5月や6月って、美容室に行っても「気分が落ちやすい時期」って話していたりしますし、女性は特に疲れが出やすい時期でもありますよね。

私もちょうどこの時期は疲れが出やすいんですけど、この作品を見ると、心の奥が解きほぐされるというか。

「癒される」って、こういうことなんだなと思いました。

今回のテーマの中にも、

最近、少し気持ちが落ち込んでいた私。
でも、この着物をまとって過ごした夏の夜が、今年の夏を少しだけ特別な記憶にしてくれる。

というようなストーリーがあるんですけど、本当にそのテーマにぴったりだなと思いました。

恭平
分かりやすく気持ちを上げてくれるというよりは、気づいたら気持ちが上がっていた、という感じですね。

まとっているだけで、気づかないうちに体が元気になっていた。

そんな作品になってくれたら嬉しいです。

YOSHIKO
なると思います。

これを着てどこに行っても、きっと褒められると思いますし、そういう情景がすごく思い浮かびます。


YOSHIKOのハートも、さりげなく

恭平
またこちらには、YOSHIKOさんが作ってくれたハートも入っています。

YOSHIKO
今回も可愛く入りましたね。

ターコイズブルーの縁を作るような感じで、リングのようにハートを描けたかなと思います。

この繊細な雰囲気を邪魔しない、さりげないハートが入っています。

恭平
袖のどの部分に入ってきても、表側でも裏側でも、邪魔をせず可愛らしい雰囲気になりますね。


6月26日20時、Kyohei Friday 8にて発表

YOSHIKO
早く皆さんにお見せしたいですね。

今週の金曜日、Kyohei Friday 8で20時にお披露目になります。

こちらは再販ができない商品になります。

矢羽根柄は特に「夏に着たい」というお声も多いんですけど、「これだ」と思った方は、ぜひチェックしていただきたいですね。

恭平
とてもいい作品が仕上がったと思います。

YOSHIKO
本当にこれは、美術館に飾られるレベルだと思います、私は。

ずっと見ていたくなる、素敵な作品でした。

恭平
ありがとうございました。

ということで、こちらの作品は、6月26日金曜日、20時から作品発表開始となります。

《Cinderella Veil》
シンデレラヴェール

矢羽柄 × ドット|セオアルファ

皆様ぜひご覧くださいませ。

YOSHIKO
楽しみにしていてください。

恭平
ありがとうございました。

YOSHIKO
ありがとうございました。