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2026/05/21 20:35

染め上がったばかりの「くるくるマーブル」

恭平
はい、ということで、今まさに染め上がったばかりのこの《泡沫の夢》についてレポートします。

YOSHIKO
はい。

恭平
どうですか、YOSHIKOさん。

YOSHIKO
すごいですよね。

この色合いと柄が、今までの作品の中でもなかったんじゃないかなというくらい、ドリーミーで、ちょっとノスタルジックさもあって、たまらない作品なんですけど。

この配色もそうですし、この柄も、どういう気持ちで染めたんですか?

恭平
今回の柄は「くるくるマーブル」と呼んでいまして。

ネーミングは少し単純なんですけど、うちのマーブルの中でも、細かめのマーブル柄になります。

配色は、僕の中では“ドリーミー”というテーマのもとで染めたものです。

ポイントとしては、明るめの緑が差し色に入っていて、そこに黄緑と黄色がさらに差し込まれているんですね。

実はベース自体は、ほんのりミルク色の白がベースになっています。

YOSHIKO
ちょっとピンク色が溶け込んでいるようにも見えます。

恭平
そうなんです。

この白場の部分に、ほんのりピンク色が折り重なっているというか。

YOSHIKO
よく見ると、そのピンクのところも、ただの色じゃなくて、マーブル柄というか、色が混ざり合っているような、何とも言えない柄になっていますよね。

恭平
そうですね。

よく見ると、これは“マーブルにマーブルを重ねている”ような工程になります。

YOSHIKO
通常のマーブルよりも一手多いということですか?

恭平
一工程多くなっています。

その分、手間がかかっているものになりますね。

YOSHIKO
スペシャルな柄ですよね。

恭平
そうですね。

柄というのは、細かさだったり、動きだったり、ちょっとしたバランスで表情が変わります。

ここを少し細かく見せたいとか、逆にこの工程を抜くことで大胆に見せたいとか。

そういう調整をしながら染めています。


反物を染める前の微調整

YOSHIKO
今回、この作品を作る前に、反物13メートルを染める前に、端切れを使って試し染めをしましたよね。

仕上がりに滑らかさもあって、恭平さんが微調整しているところを間近で見ていたんですけど。

やっぱりその感覚って、長年染めてきたからこその「ここを抜く」とか「ここを足す」とか、そういうものがあるのかなと思いました。

恭平
そうですね。

これは染め分けになるんですけど、白い部分と色の部分の染め分けなんですね。

染め分け自体は、うちの作品でもたくさんやってきているんですが、しっかり真ん中でパキッと染め分けているものもあれば、今回のように柔らかくグラデーションのように染め分けているものもあります。

今回の配色に関しては、滑らかに、柔らかく。

YOSHIKO
溶け合っているように。

恭平
そう。溶け合うような染め分けをしたかったんです。

そのために、間に通常のマーブルを挟んで、そこからさらに細かい「くるくるマーブル」を重ねている作品になります。

YOSHIKO
本来だったら普通のマーブルでもいいところを、もう一工程入れて染めているということですね。

恭平
そうですね。

こういうふうに細かく可愛いマーブルにすることで、より“ドリーミー”らしさが出ているかなと思います。

YOSHIKO
確かにそうですね。

私自身、染め分けた反物で、恭平さんが「この合間をもう少し滑らかにするために」と話していたのを聞いていたんですけど、正直そこまでは見えていなかったなと思って。

やっぱり恭平さんだからこその意識が、一反一反に込められているんだなとすごく感じました。


半衿から着物へ広がった配色

恭平
ただ、この柄自体は、もともと半衿用に染めていた配色だったんですよね。

その半衿用に染めたものを見て、YOSHIKOさんが「これを着物でも染めたい」と言ってくれたことで、この形が出来上がりました。

正直、半衿の配色の時には、僕なりに半衿に適したデザインというものがありました。

でも、それを着物にするとなった時には、配色は同じでも柄は変わっているんです。

その時に、どういう柄が女性にときめきをもたらすのかという部分は、YOSHIKOさんの感覚に委ねたところがあるので、僕にとっても新しい発見でした。

YOSHIKO
ありがとうございます。

私がときめいたポイントで言うと、このレモンイエローの部分ですね。

今年は結構、レモンイエローを皆さんからリクエストいただいていて、レモンイエローが入った配色を何度か染めていると思うんですけど。

この入り方が絶妙だなと思っていて。

量といい、入り方といい、すごく可愛いなと思っています。

また、どういう方にお召しいただけるのかもすごく楽しみですね。


きらめきを生む細かなドット

恭平
あと、最後に細かいドットを散りばめているのもポイントになります。

YOSHIKO
このドットがあることで、すごくきらめきが出ますよね。

泡のようにも見えたり、光に見えたり、それこそパールにも見えたり。

見る方や仕立て方によっても、全然印象が変わるんじゃないかなと思います。

これが入ることで、より軽さが出ますよね。

恭平
そうですね。

僕のイメージでは、さっき言った“ドリーミー”という世界観の中に、魔法のような感じを入れたかったんです。

YOSHIKO
本当に、魔法にかけられている感じがする。

恭平
でも夏に見ると、泡ぶくのようにも見えるかもしれない。

見る人によって、想像するものが変わってくるのかなと思います。

YOSHIKO
春に見たら、花吹雪のようにも見えるかもしれないね。

周りがほんのりピンクだから、目の錯覚で少しピンク色っぽく見える感じもありますよね。

恭平
楽しい柄ですよね。そういう意味では。

YOSHIKO
墨流しならではの水の動きと、そこに光の動きみたいなものが加わっている感じ。

本当に、見ていて飽きないです。


ミルクホワイトに重なる、ほんのりピンク

恭平
この無地場の部分、白場の部分もいいですよね。

YOSHIKO
たまらないですね。

恭平
ベースになっているのは、ミルクホワイトのような色なんです。

そこに差し込むようにピンクが折り重なっていることで、全体がほんのりピンクのようにも見える現象が起きています。

YOSHIKO
そのおかげで、顔周りに当てた時に、ほんのりピンクが助けてくれて、顔色を少し上げてくれそうですよね。

恭平
血色が良く見えるような感じですね。

YOSHIKO
そういうサポート的な影響があるお着物って、今までお客様に当ててきても感じることが多かったんです。

もちろん、お肌の色は人それぞれなんですけど、この作品も、ピンクがあることで「顔側に当てたい」と思う方がたくさんいらっしゃるだろうなと想像しました。

この配色って、細かく見ると一色一色がすごく可愛らしいんですけど、こういうバランスで染めることで、大人の女性にも楽しんで着ていただけますよね。

恭平
そう思います。


5月22日のKyohei Friday 8にて発表予定

YOSHIKO
ぜひぜひ、こういうものが欲しいとか、こういう色を見てみたいというお声も、今たくさんリクエストいただいているところですので、DMやコメントでいただければと思います。

恭平
こちらは、5月22日のKyohei Friday 8にて発表予定です。

YOSHIKO
5月21日は今日ですね。今日染めた作品なんですよね。

恭平
そうですね。

5月21日に染めたものを、翌日5月22日のKyohei Friday 8にて発表予定です。

前日に染まったものを、そのまま新作として発表いたします。

YOSHIKO
恭平さんの中で、Kyohei Friday 8というのは、皆さんに発見と芸術をお届けする場所ですよね。

「芸術をまとう幸せ」というテーマで染めているので、Kyohei Friday 8にふさわしいものを染めるとなると、やっぱりどうしても時間がかかりますよね。

恭平
そうですね。

「これでいいや」というものではなくて、Kyohei Friday 8で発表したくなるようなものを染めたいと思っています。

毎週の課題というより、テーマであり、目標として取り組んでいます。

ぜひ今後も楽しみにしていただければと思います。

よろしくお願いします。

YOSHIKO
よろしくお願いします。

恭平
それでは、どうぞお楽しみにお待ちください。