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2026/05/20 17:49

「雨の日に着物を着ても大丈夫?」知っておきたい対策と楽しみ方

「せっかくの着物のお出かけなのに、天気予報は雨…」
「雨の日に着物って、着ていいの?」
「もし濡れちゃったら、どうすればいいの?」
着物でのお出かけを楽しみ始めたばかりの方にとって、雨の日はちょっと不安ですよね。
でも、ちょっとした準備と知識があれば、雨の日でも着物のお出かけは十分に楽しめます。
この記事では、雨の日に着物を着るときに知っておきたい対策をわかりやすくまとめました。

雨の日に着物を着ても大丈夫?

結論から言うと、大丈夫です。
ただし、洋服と同じ感覚でお出かけすると、水濡れによるシミや縮みといったトラブルが起きやすいのも事実です。
ポイントになるのは「素材選び」と「事前の準備」。この2つを押さえておけば、雨の日でも安心して着物を楽しめます。

お出かけ前にできる雨対策って?

出発前のひと工夫で、雨の日の不快感や着物へのダメージはぐっと減らせます。

雨コートを羽織る
着物全体を雨から守ってくれる、雨の日の必須アイテムです。
ワンピースのように一枚で羽織る「一部式(いちぶしき)」と、上下に分かれた「二部式(にぶしき)」の2種類があります。
初めての一着なら、二部式がおすすめです。
下の裾よけ(すそよけ)を巻く位置を変えるだけで丈を調整できるので、身長を問わず使いやすく、サイズ選びに失敗しにくいのが嬉しいポイントです。
雨が降っていない日は、上着だけを「塵除け(ちりよけ)」として使うこともできますよ。
素材は、自宅で洗えるポリエステル製を選んでおくと、泥はねなども気にせず使えて安心です。

撥水スプレーをかけておく
草履やバッグ、足袋(たび)、泥はねしやすい裾まわりに、あらかじめ撥水スプレーをかけておくと汚れを弾いてくれます。

裾をクリップで上げておく
雨コートを着る前に、着物の裾を帯のあたりまでたくし上げてクリップで留めておくと、地面からの泥はねを物理的に防げます。コートの下なので見えません。

持ち物チェック
・濡れた部分を拭くためのハンドタオル
・替えの足袋(たび)
・しっかり体を覆える大きめの傘

この3つがあると安心です。

足元どうする?雨の日の履き物と歩き方

雨の日の着物で、いちばん気になるのが足元ではないでしょうか。
便利なアイテムと、知っておくと役立つ歩き方のコツをご紹介します。

雨の日の履き物
雨草履(あめぞうり): つま先に透明なカバーがついた雨専用の草履です。足袋が濡れにくく、一足あると重宝します。
草履カバー: お手持ちの草履にかぶせて使えるタイプ。急な雨にも対応でき、晴れたら外せるので便利です。
足袋カバー: 足袋の上から履く撥水性のカバーです。室内に入る前に脱げば、きれいな足元を保てます。
ブーツやサンダル: カジュアルなお出かけなら、あえて短めに着付けてレインブーツを合わせるのも今っぽくておしゃれです。自由に楽しんでみてくださいね。

泥はねを防ぐ歩き方のコツ
実は、歩き方を少し意識するだけで、泥はねはかなり防げます。
内股を意識する: 外股で歩くと泥はねが起きやすいため、つま先を内側に向ける「内股」を意識してみてください。
小股でゆっくり: 大股で歩かず、ふだんの半分くらいの歩幅を意識してゆっくり歩きましょう。
足裏全体でそっと着地: 草履を蹴り上げるように歩くのは禁物です。足の裏全体を地面と平行に上げるイメージで、着地もかかとからではなく足裏全体で同時に降ろすように意識すると、背中への泥はねをぐっと抑えられます。
姿勢を正す: 傘を持つと片手がふさがりますが、視線を下げすぎず背筋を伸ばして歩くと、安定して歩けますし、雨の日でも凛とした着物姿が保てますよ。

もし濡れてしまったら?帰宅後のケア

雨対策をしていても、濡れてしまうことはあります。
でも、帰宅後の正しいケアでダメージは最小限に抑えられますので、慌てなくて大丈夫です。

こすらず、トントンと水分を取る: 濡れた箇所は乾いたタオルで、トントンと叩くようにして水分を吸い取ります。ゴシゴシこするのは生地を傷めるので避けてくださいね。
すぐに陰干し(かげぼし)する: 帰宅後はすぐに着物用ハンガーにかけ、直射日光の当たらない風通しの良い場所で干しましょう。しっかり乾くまで2〜3日が目安です。
泥はねは「乾いてから」: 泥がついた場合、濡れているうちに触ると汚れが広がってしまいます。完全に乾いてから、柔らかいブラシで砂をやさしくかき出しましょう。

雨の日こそ、素材選びが大事

ここまで雨対策をいろいろとご紹介してきましたが、実は一番の安心材料は「そもそも水に強い素材を選んでおくこと」かもしれません。
正絹(しょうけん=シルク) は水に弱く、濡れると縮んだりシミになりやすい素材です。
雨の日に着る場合は十分な注意が必要になります。
一方、ポリエステル(洗える着物) は水を弾きやすく、汚れもつきにくい素材です。
万が一汚れても自宅の洗濯機で洗えるため、雨の日用の一着として心強い存在です。

中でも「セオアルファ」という東レのポリエステル素材は、軽くて速乾性にも優れているので、梅雨どきの蒸し暑い日にもさらっと着られます。
恭平の着物もこのセオアルファでお仕立てしています。
素材について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。


雨の日には雨の日の、しっとりとした空気や景色があります。
ちょっとした準備と知識があれば、雨の日の着物のお出かけはきっと楽しいものになるはずです。
ぜひ気軽に、雨の日の着物も楽しんでみてくださいね。