BLOG
2026/05/02 16:00
作品と、お客様と、あたたかな時間の記録
2026年4月11日〜13日、恵比寿にて
「恭平墨流し セオアルファ展2026」を開催いたしました。
おかげさまで、想像以上に多くの方にお越しいただき、3日間があたたかな時間で満たされました。
会場では、反物を手に取りながら
「どれが今の自分にしっくりくるのか」と、じっくり向き合ってくださる方の姿がとても印象的でした。
巻き付けた瞬間の高揚感。
「これ素敵」
「似合う!」
と声を掛け合うやさしい空気。
そのひとつひとつが、私たちにとっても忘れがたい景色になりました。
今回は、展示会を終えてから恭平とYOSHIKOで振り返った対談をもとに、当日の様子や感じたことをお届けします。
展示会初日、朝7時からの設営
恭平
それでは2026年4月11日〜13日に開催した「恭平墨流しセオアルファ展」のレポート対談を始めます。
まず1日目から振り返っていきますが、よしこさんいかがでしたか?
YOSHIKO
1日目か…。まず準備が大変だったよね。
恭平
そうだね。朝7時から準備を始めて、最初は僕ら2人だけでスタートだったよね。
YOSHIKO
しかも会場、当日初めて見る状態だったしね。
恭平
そう。ロケハンもできていなくて、実際見たら「思ったよりかなり狭い」と感じて。
体感でいうと想定の半分くらいだったかな。
YOSHIKO
ほんと唖然としたよね。
「この空間でどうするの?」って。
恭平
今回はPortrait Daysの撮影スペースも必要だったから、販売スペースと撮影スペースをどう分けるかが最初の大きな課題だった。
YOSHIKO
そうそう、その配置問題が一番大変だった。
恭平
でも、とりあえずダンボールを開けて、作品を並べていく中で少しずつ形になっていって。
途中からのぎさんに早めに来てもらって、なんとか間に合った。
YOSHIKO
本当に、のぎさんいなかったら間に合ってなかったよね。
恭平
あと田中くん(カメラマン)も含めて、チームがいてくれたから成立した感じだね。
オープン前から並んでくださったお客様
恭平
ありがたいことに、オープン前から並んでくださるお客様もいて。
YOSHIKO
しかも「手伝いましょうか?」って声をかけてくださる方までいてね。
恭平
うちのお客様は本当に理解があって、こういう時すごく助けられるよね。
YOSHIKO
今回もギリギリまで制作してたもんね。
帯揚げのアイロンとか。
恭平
制作とイベント準備の両立は毎回の課題だけど、去年よりは時間に余裕持って準備できたと思う。


たくさんの作品の中から選んでいただく時間
恭平
やっぱり初日は一番混む日で、多くのお客様に来ていただいて、たくさんの作品の中から選んでもらえたのは良かったね。
YOSHIKO
巻き付けの順番待ちもできてたしね。
結構大変だったと思う。
恭平
でも、お客様が楽しんでくれているのはすごく感じた。
YOSHIKO
今回の作品、これまでと違う作風も多かったよね。
恭平
そうだね。
新しい技術も使って、僕らにとってもチャレンジだった。
YOSHIKO
「これぞ作家もの」って言ってもらえたり、作品の変化や歴史ごと楽しんでくださっているのが印象的だった。
今回並んだ作品たちは、これまでの恭平墨流しとは少し違う表情を持つものも多くありました。
かすれや余白、色の重なり、そして新しい技術から生まれる奥行き。
それらを、お客様が一枚一枚じっくり見てくださり、巻き付けながら自分に合う一枚を探してくださる時間は、私たちにとっても大切な時間でした。


新企画「恭平墨流しPortrait Days」
恭平
今回の新企画「恭平墨流しPortrait Days」も同時開催だったね。
YOSHIKO
最初はみんな緊張してたけど、だんだん表情が柔らかくなっていって。
恭平
プロの環境だったからね。
カメラマン、ヘアメイク、着付け師さんがいて。
でもチームの空気が良くて、自然な表情が引き出せた。
YOSHIKO
他の人の撮影をみんなで見守って、
「かわいい!」って言い合う空気も良かったよね。
今回初めて行った「Portrait Days」は、恭平墨流しの着物や帯をまとってご来場くださったお客様を撮影する企画でした。
ただ写真を撮るだけではなく、ヘアメイクさんや着付け師さんにも入っていただき、少し整えてからカメラの前へ。
最初は緊張されていた方も、撮影が進むにつれて少しずつ表情が柔らかくなっていきました。
その様子を周りのお客様が見守り、自然と
「素敵」
「かわいい」
という声が上がる。
その空気も、とても恭平墨流しらしいものでした。

着物は、お客様がまとって完成する
YOSHIKO
ちょっと聞きたかったんだけど、
自分の作品をお客様が着て来てくれるのってどういう気持ち?
恭平
もちろん嬉しいけど、それ以上に「作品の完成形を見ている感覚」がある。
僕にとって着物は、お客様が着て、コーディネートして初めて完成するものだから。
だから今回のポートレートは、“本当の作品”を記録できたという意味でも大きかった。
YOSHIKO
確かに、反物・仕立て・着用で全然印象変わるもんね。
恭平
そう。
誰が着るかでも変わるし。
最終形態は「お客様が着た状態」。
反物の状態で見る時。
仕立て上がった時。
そして、お客様が実際にまとった時。
同じ作品でも、その表情は大きく変わります。
帯や小物との組み合わせ。
その方の雰囲気。
着る日の気持ち。
そうしたものが重なって、恭平墨流しの作品は完成していくのだと、今回あらためて感じました。

ポートレート企画の価値
恭平
今回のPortrait Daysは、その完成形を作品として残す企画でもある。
YOSHIKO
お客様もすごくいい表情してたよね。
メイク直ししてもらってる時とか、すごく幸せそうだった。
恭平
お姫様みたいな表情だったよね。
YOSHIKO
本当に可愛かった。
メイクを直してもらう時。
髪を整えてもらう時。
カメラの前に立つ時。
皆さんの表情がふっと明るくなる瞬間がありました。
その姿は、ただ写真を撮るというよりも、自分の装いをあらためて大切に受け取っているような時間に見えました。
お客様にとっては、思い出の一枚。
私たちにとっては、作品が本当の姿になった瞬間の記録。
Portrait Daysは、これからも大切に続けていきたい企画になりました。

3日目のゆったりとした時間
恭平
3日目はかなり落ち着いてたね。
YOSHIKO
ゆったり接客できたのがよかった。
恭平
作り手としての話をしっかり聞きたい人には、むしろ3日目がいい。
YOSHIKO
何回来てくださる方も多くて、最終的に3日目で決める人も結構いるよね。
恭平
落ち着いた中で選ぶ時間も価値がある。
初日には、たくさんの作品の中から選ぶ楽しさがあります。
一方で、最終日には、ゆっくりと作品を見たり、作り手の話を聞いたりしながら選ぶ良さがあります。
期間中に何度も足を運んでくださる方もいらっしゃいました。
初日に見た時とは違う気持ちで、最終日にあらためて選ぶ。
そんな場面もありました。


お客様同士が声を掛け合う空間
恭平
うちの展示会のいいところは、お客様同士で「これ似合うよ」って言い合う空間。
YOSHIKO
売るためじゃない、純粋なおすすめだよね。
恭平
それが一番信頼できる“似合う”になってる。


初めての方にも、もっと気軽に
YOSHIKO
今回、初めての方も多くて。
「こんなに打ち解けられる着物屋初めて」って言ってもらえた。
でも、初めての人ほど「本当に好きなもの」を選べてないケースもあるなって感じた。
だからもっと気軽にチャレンジできる導線は作りたい。

次の制作へ
恭平
今回の展示会に向けた制作期間も含めて、自分としてかなり成長できた時間だった。
これからどんな作品が生まれるのか、自分でも楽しみ。
次は秋冬に向けて制作が始まるので、また期待していただけたら。
YOSHIKO
本当に作風も進化してるし、これから楽しみだよね。
恭平
はい。以上です。
展示会は、作品を販売する場であると同時に、次の制作への大きなヒントをもらう場でもあります。
お客様が巻き付けている姿。
コーディネートされた姿。
嬉しそうに鏡を見る表情。
迷いながらも、自分に似合う一枚を見つけていく時間。
そのすべてが、次に染める作品へのインスピレーションになります。
今回お迎えいただいた作品たちが、これからの日々の中で、とくべつなお気に入りとして育っていきますように。
ご来場くださった皆さま、
作品をお迎えくださった皆さま、
Portrait Daysにご参加くださった皆さま、
そして気にかけてくださった皆さま。
本当にありがとうございました。
またいつか、皆さまとご一緒できる日を心より楽しみにしています。
次の展示会でも、新しい恭平墨流しの景色をお見せできるよう、制作を重ねてまいります。

