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2022/07/06 01:23


「 鹿 革 墨 流 し 草 履 」

夢幻藤 総柄
前坪 #7 紫苑色
鼻緒裏 白

こうして同じカスタムのものをみると、一つ一つ色の濃さや柄の出方が少しずつ違いそれぞれ美しい。

これも手染めの墨流しならではのことですよね。

お客様の手元に届く作品の絶妙な色合いや柄の動きを気に入っていただけると、本当に嬉しい気持ちになります。

しかし、よく考えるとこの草履がお客様のもとに行くのは必然なんです。

草履の元になる革は、染色する前に予めどの方にどんなデザインで染められるか決まった上で裁断されています。

同じデザインでもまとめて染めることはありませんので、「○○さんの夢幻藤」と思いながら恭平が染めています。

効率が悪いことですが、デザインにより必要な革の量が異なるので無駄が出ないようにその都度必要な分だけを裁断しています。

染まってからこの人に。と分別しているわけではなく、染まっていない革の時点でお客様の元に行くことが決まっていたものなんです。

私も知っていたことなのに、改めて考えるとすごくロマンチック。

お客様のためにゼロから作られるものはこの時代珍しいのではないかと思うと同時に、素敵な作品だなあと思いました。

「心のこもったものづくり」
言葉で言うことは簡単ですが、実際に行っていることは時間がかかることで、手間も人の手もかかること。

お客様に自慢できることです。