BLOG
2022/02/05 06:28
Instagramではたびたびご案内していた『美は国境を越えて』
2月7日までです。
全国から素晴らしいアート作品が六本木に集まりました。
その数640点以上。圧巻です。
小林東雲先生の水墨画と恭平の墨流しの共作の着物は入口に飾られております😌
ご来場のお客様は、至近距離でご覧いただけます。
お写真を撮ることもできるそうです。
生地の質感、墨流しの流れと水墨画の筆のタッチ
優しく心地よい、洗練された芸術に心を奪われてしまいました。
芸術鑑賞の時間は、心を癒やし、潤いを与えてくれます。
是非ぜひ!お近くの方はご来場くださると嬉しいです。
では、今回の作品のみどころや、水墨画を描いてくださった小林東雲先生について簡単ではございますが、ご説明できたらと思っています。
小林東雲先生とは
小林東雲(Tohun Kobayashi)●水墨画
1961年東京に生まれる。
幼少の頃より書家である母親に筆法を学ぶ。
青年時知己を得て中国水墨画の技法に学び、北京故宮博物院の諸師と交流し、水墨に感銘を深める。
1987年、パリ「日本の美術展」会場にての障壁画揮毫を期に、中国、インドネシア、アメリカ等で障壁画揮毫を重ね、各国で高い評価を得る。その間内外の公募展で多数受賞、1992年には、天安門広場の中国歴史博物館に於いて、文化部主催による「中日友好20周年記念・小林東雲書画展」が開催された。
その後、精神性の高い日本の伝統的水墨画に感じ、社寺障壁画を手掛ける。
2014年、国指定重要文化財「大本山善導寺 上段の間」に水墨障壁画の依頼を受け落成。現在、作品は内外の美術館、公共施設に収蔵されている他、NHK「日曜美術館」、テレビ東京「美の巨人たち」などテレビ出演も多い。
また、「やさしい水墨画」 (主婦の友社)「水墨画へのいざない」(PHP)ほか多数の著作など、水墨の新しい表現の可能性を探りつつ、多彩な分野で精力的に活動し、水墨画の魅力を紹介、その普及につとめている。
コラボレーション:和楽器演奏や和洋楽器のコラボレーションユニット、クラシック系演奏家など
(2014から更新がストップしておりますが、沢山の仕事をされながら、現在もテレビで使用する水墨画の締切に毎週追われるほどのご活躍です。
ーーーーーーーーーーーーーーー
水墨画の持つ喜怒哀楽のこころ
主体を取り巻く周りの空間に対する思いやり
一歩一歩取り返しのつかない真剣勝負。
真剣に繰り出した一手は必ず次の筆で生きること。
水墨画は見えない部分や色彩を想像する、抽象絵画の性質があり、
絵に込めた想いを相手の想像力にゆだねる心の絵画であるということ。
それらはまさに人間の人生観につながるもの。
ーーーーーーーーーーーーーーー
(小林東雲先生 ホームページより)
24歳のときに恭平は小林東雲先生に師事。
水墨画を学びます。
その後、和裁、着付け、染色と今の道へ進んでいくのですが、若い頃の恭平が東雲先生から学んだことは水墨画だけでなく、物事の捉え方、考え方、様々な点で今の恭平の財産になっているように思います。
恭平の作品の魅力である、空間の扱い方、バランスのとり方は東雲先生の水墨画にルーツがあるのではないか。と今回の作品を拝見して感じました。
こころが繋がっている、師弟だからこそ生まれた作品。
お互いの技術やセンスのぶつけ合いでなく、お互いを尊重する思いやりがこちらにも伝わる、本当に素晴らしい作品です。
1月27日初日から、「観に行ってきました」とお客さまからご連絡いただきます。
本当に嬉しいです。
この展示は、プロアマ問わず"芸術のおもしろさ"が詰まった内容の濃いものです。
美は国境を越える力があることを肌で感じることができます。
わたしは数ある展示のなかで、海外の15歳くらいの方たちが描いた絵が心に残っています。
色の使い方が本当に自由で、構図がデザイン的で、とてもお洒落だったり、ポスターのようにすてきな絵がずらりと。
あたたかい光に照らされて海の色はブルーではなく、オレンジや黄色などの暖色で描かれていたような気がします。
自分の感覚がどれほどちっぽけなのか思い知らされたような気がして少しショックでした。
確か国はナイジェリアだったような…
そういう意味でも、普段メイン会場で行われている展示とは異なるたのしさが味わえます。
また、内閣総理大臣賞を受賞された方の作品や、CMなどでご活躍の方などの作品もご覧いただけます。
東雲先生と奥さまの作品も素晴らしいものでした。
今回の作品について
水墨画の静かな白と黒の濃淡の世界を墨流しとのコラボレーションした着物で表現しています。
こちらの着物は、墨流しの部分を何色ものモノトーンで計算して染めているため、優しい濃淡の波が表現されています。
恭平墨流しを施した着物を送り、水墨画家 小林東雲先生に描いていただきました。
みた瞬間、さまざまなインスピレーションが湧き起こったそうです。
淡いピーコック柄が波のように見え、紋意匠ちりめんの生地の凹凸が崖の岩肌にみえた。
そうして完成した作品を目にして、興奮が止まらないほど感動しました。
数日経った今でも熱が冷めそうにありません。
優しい太陽の光、穏やかな波、空高く飛ぶ鳥。
澄み渡った空気を吸い込み、鳥の声に耳を傾ける。
実際にある景色なら癒やされに行きたいくらい、素晴らしい景色がそこには在ります。
"こころの景色を描く水墨画の世界"
水墨画を通して、こころの世界を観ることができる。
つまり、人としてどう生きているのか。
人生観が鏡のように反映される画法。
作品をみれば、水墨画に詳しくないわたしでも、なんだかわかったような、いや心底納得いくような、そんな力がありました。
お近くの方は是非、期間中に足を運んでいただけますと嬉しいです。